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2005/04/12

法事が二回ある家

33年前の4月に亡くなった祖父と、去年の5月に亡くなった祖母の法事を面倒だから一回にまとめてやるべとという方針でいたんですが、

「はじめての法事はまとめてやっちゃイカン」という意見を何かの本だかパンフレットで目にしたおかげで2ヶ月で法事を二回やる羽目になったのでございます。

おかげで忙しいであります。

別にたいして人数来ないんですが、料理を一から自分でつくる、ツマミも酒もジュースも自分で買う、もちろん折り詰め用の折も自分で買う、引き出物(・・・て言うんですかね)も自分で買う、と母がのたまうのですがその殆どの実行役はワタシでございます。

もう四月も半ばだというのに、ウチの庭は雪に埋もれております。玄関も北向きなので雪まみれとなっております。

母は昨日京都旅行から帰ってまいりまして、「あっちは25度もあって、桜が満開だったぜよ」とおっしゃいます。
あー、そういえばこないだ桜花賞あったもんな、桜も咲くよな。
・・・・と花より団子の娘が答えます。どーせ札幌はまだ気温が一桁だよ、氷点下にならないだけアリガタイと思わなくてはならんのだよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・そして、ワタシはアレをむしょうに見たくなったのだ。

ヤグディンの「ウィンター」

去っていく冬を(というかもう春だけどさいくら北海道でも)少しは惜しむ気がなぜかむくむくと頭をもたげたのよ、何故かなのですが。

んでもって。

飽きることなく1時間も繰り返し繰り返しPCでヤグディンの「ウィンター」の動画を見続けたのよ。

今から三年前のソルトレイクオリンピックのフィギュアスケート男子シングルのゴールドメダリスト・アレクセイ・ヤグディンのショートプログラムでございます。

フィギュアスケートてのはただでさえなんちゅーか色っぽく滑るのがエライみたいなところが少なからずある・・・とワタシは思う。表現力とか芸術性とか言いますが「色っぽく官能的に滑る、演技する」のが芸術点を上げるもんだってとこがあると・・・。男子でも女子でもさ。女子はまだわからないでもないんですが、男子がフリフリの純白のブラウスを着てすそやそでをひらひらさせながら滑走しているのを見てると「それは本当に色っぽいか?」と問いたくもなる。
オリンピックイヤーともなると更に官能方面アピールがものすごいことになるんです。ジャッジにわかりやすいってのもあるのかしら・・・・・。

だがしかし、そのオリンピックイヤーのショートプログラムに「恋する男」でも「別れそうな男」でも「すがりつく男」でも「ナンパする男」でもなく、「ウィンター(もちろん冬っていう意味じゃ)」を持ってきたヤグディンとそのコーチの度胸はすごい。

ヤグディンは黒のなんてことないふつーのズボンに、少しだけグレーがかった地に冬の枯れた木々をイメージさせる黒い模様の入った丸首のセーターを着、さらには黒の手袋まではめてリンクに登場します。それなり以上にお金のかかった衣装だと思われるが、白いリンクの上では全く映えません。
それに手袋をはめていては指先の繊細な表情が出しにくい。
ヒラヒラどころか、どうみたってそこらへんで雪かきしているおにーちゃんにしか見えないのです。

何せ「ウィンター」ですから音楽もシンセでびゅうびゅう吹雪の効果音つき。凍えたしぐさのヤグディンはようやく滑り始めますが寒さがこたえてあんまりからだが動かないって感じです。
なんの変哲もなくすべり、なんの感動もなく淡々とルールで決まっているコンビネーションジャンプをこなし、その合間にリンクで削れた氷のかけらを頭上に放り投げます(雪が降っているのですな)
しかしスローだった音楽のテンポがあがり、規定でこなさなくてはならないつまらないスピンを終えたころ、吹雪の効果音が消えて冬のつかの間の晴れ間が訪れます。

今まで凍えて小さくなって滑っていたヤグディンが温かい陽射しを浴びて冬の喜びの歌を歌い始めるのです。滑るのでも踊るのでも演じるのでもなく体全体を使って「歌う」のです。

観客はもう手拍子するしかない。目にも留まらぬような細かくて超速のステップを踏みながら、大きく両腕を差し出して本当に太陽のような笑顔で駆け寄ってくるヤグディンが観客席に向かって投げキスをするところで会場の熱狂は頂点に達します。

しかしその後再び音楽はスローになり、あの吹雪の音が大きくなります。太陽は隠れ、寒さに凍えたように身を縮めてスピン(これは彼の得意技のひとつ)をした後再びヤグディンはリンク上の氷を頭上に投げ上げます。
最初とは違って笑顔で。

冬の厳しさをしるロシア人の演技力技術力芸術性が生み出した名プログラムです。

あー。伊藤みどりのシェラザードも見たくなった。アレも官能ってなんだコラっていう名プログラム。


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